ここ最近、ディスコ、テクノ、ディスコ、テクノと全然違うプレイスタイルのDJが交互に続いている。
僕が最近プレイしているテクノは、ディープミニマルというジャンルで、催眠的なループと実験的なサウンドで、とてもアート的でクールなサウンド。
単純なテクノではなく、音を聴いてるとDJが構築する空間に取り込まれていくようなそんな音楽。
Rødhådもインタビューで語っていたが、「良い音楽が良い流れで続くと、その世界に引き込まれて、最後まで旅をしていたくなると思うんだ」と。
自分の理想とするプレイもまさにそんな感じで、どのような世界に連れて行ってあげようかと常々考えてプレイしている。
ただ、その世界に引き込む為には、音に集中できる空間が必要だ。
良い音質のスピーカー、音に集中出来る程度の照明の暗さ、雰囲気、などはミニマルテクノをプレイする空間に最低限必要だと思っている。
なので、ハマる空間、ハマらない空間というのが出てくる。
特にミニマルテクノは暗い音が多く、それ系のイベントに行くとみんな黙々と踊ってたりするが、やはりそれはアートと同じで、アート見ながらニヤニヤしてる人があまりいないのと似てるんじゃないかと思う。
かたや、ディスコは真逆と言っていい音楽で、人を踊らせる為に生まれたジャンルと言っても良く、体が自然に動いてしまうグルーヴ感でみんな笑顔で踊れる楽しいパーティーミュージックだ。
ディスコといっても様々で、恐らく普通の人がディスコと聞いて思い浮かぶのはアース・ウィンド&ファイヤーなどに代表される往年のディスコヒットチューンだと思う。
もちろん、それらも歴としたディスコではあるが、僕はあまりにメジャーなものはプレイしない。
アンダーグラウンドDJというものは、みんなが知ってる曲ばかりプレイしていてはダメだ。
最近世界的に流行しているディスコブームではあるが、DJがこぞってプレイしているのは70年代のレアな曲などをリエデットし、最新のダンスミュージックに再構築されたディスコだ。
Nu Disco、ReEdit Discoとも呼ばれる。
テクノとディスコ、これら二つの相反するジャンルはプレイスタイルも全然違う。
ディープミニマルでは曲は素材の1つとして捉えていて、ロングミックスしながら自分の音を作っていく感じだ。
ディスコは選曲や流れを重視し、その曲の魅力を最大限に生かすDJでそこまでロングミックスで混ぜていく事はしない。
テクノをプレイする時とディスコでは心持ちも全然違うので、交互に続くと戸惑いを覚えてしまう。
テクノの現場ではどういう空間を作ろうか?と考えたり、ロングミックスで常に混ぜてたりするのでDJ中は結構忙しく、ゆったりお酒飲みながらブースで踊ったりする余裕が無く、とかくシリアスになりがちだ。
ディスコの現場ではとにかく踊らせよう!良いグルーヴ作ろう!と考えていて、世界観がどうの〜などと深く考えてはいない。
そこまでロングで混ぜる事も無く、曲の魅力を存分に引き出す為にしっかりラストの展開まで聴かせたりする事も多く、ブース内で踊ったり、お酒飲んだりと楽しくプレイしている。
という感じなので、交互に続くとなんか疲れてしまった。
どちらも好きなので全く苦ではないのだが。
僕の尊敬するテクノDJ WADAさんもディスコをプレイするという。
相反するからこそ惹かれてしまうのか、テクノDJでディスコも好きな人は多いと思う。
まあ元々の起源を辿ると、どちらもブラックミュージックなので核心的なところは同じなのかもしれない。